かつてない難題
某TVバラエティー番組で私の作品を観て、昨年秋に遠方から「みたらいギャラリー」を訪ねてこられたお客様。
(ここではS氏としておきます)
目的は「S氏本人の油彩肖像画」を私に描いてもらうこと!!
詳しい依頼内容は割愛しますが、ズバリ「サチオらしい肖像画」を希望。
巷によくある(社長室に飾られるような)肖像画ではなく、、、、。
抽象的なイメージでも構わない、、、etc。
色々と彼の経歴や趣味などもお聞きし、もちろん対面でスケッチもしました。
以下にその後の肖像画制作過程を紹介します。
S氏(水彩・鉛筆)
まずは水彩にて真面目な(?)肖像画を。
(ちょっと表情が硬いな・・・汗)
これで満足されるはずはないが、まずは描いてみないと始まらない。
油彩制作にあたって、まずはサイズと構図を決める。
かなり背景を広くとりました。
もう少し彼らしく修正し着色に。
背景をどうするか、色々と悩み、描き直したりしましたが・・・・
背景を波にするのではなく、人物と水面を一体化したような肖像画にしたい。
(とはいえ、海に沈んだようにはしたくないが・・・)
肝心の「S氏らしさ」もまだまだ足りない。
どこまで人物を隠すか・・・悩ましいところ。
シルエットになるくらい消そうかともしたけど、上手く描けた人物を消すのも悲しいし。
このくらいで完成かなと思いながらも、まだ何か足らない気がして、しばらく保留にしていました。
【完成】
S氏の肖像 2024年
546×220㎜
油彩・キャンバス
画像では違いがわからないかもしれませんが、より「S氏」らしさと「水」らしさを。
私としては精いっぱい描いた自信作ではありますが、本人にお見せするまで(瞬間)は不安で、久しぶりに心臓がバクバクしました。
S氏本人も全く予想していなかった作品かと思いますが、納得&喜んでいただき、無事お嫁に行きました!
未だかつてない「難題」にかなり悪戦苦闘しましたが、やはり人物画は面白い!
この制作でかなり勉強させていただきました。
S氏に感謝です!
※金額も最初に予算を聞き、納期も急がない事を確認の上、じっくり時間をかけて制作しました。